『港に灯がともる』
劇場公開日: 2025/1/17(金)
本作は2021年に公開した『心の傷を癒すということ 劇場版』を契機に、表情豊かな港町・神戸から世界へ響く映像作品を届けようと立ち上げられた「ミナトスタジオ」の船出作品。
主人公・灯の苦しみや葛藤、成長を見事に演じ切ったのは本作が映画初主演作となる富田望生。監督は「カムカムエヴリバディ」などの演出を手掛ける安達もじり。神戸で暮らす人々への膨大かつ綿密な取材を基に、震災後をリアルに描くオリジナルストーリー。
1995年の震災で多くの家屋が焼失し、一面焼け野原となった神戸・長田。当時そこに暮らしていた在日コリアン家族・金子家の娘として生まれた灯(富田望生)。在日の自覚は薄く、被災の記憶もない灯は、父(甲本雅裕)や母「麻生祐未」からこぼれる家族の歴史や震災当時の話が遠いものに感じられ、どこか孤独と苛立ちを募らせている。一方、父は家族との衝突が絶えず、家にはいつも冷たい空気が流れていた。
そして姉・美悠(伊藤万理華)が持ち出した日本への帰化をめぐり、家族はさらに傾いていく。なぜこの家族のもとに生まれてきたのか。家族とわたし、国籍とわたし。わたしはいったいどうしたいのだろう——。
(C)Minato Studio 2025
G / 119 分
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